重症肉離れに整骨院でできること
スポーツや日常生活の中で突然起こる「肉離れ」。軽度であれば比較的早く回復することもありますが、筋繊維の大きな断裂を伴う「重症肉離れ」となると、適切な対応と長期的なケアが必要です。
ここでは、重症肉離れに対して整骨院でできることを、専門的な視点も交えてわかりやすくご紹介します。
肉離れとは?重症の定義
肉離れとは、筋肉が過度に引き伸ばされたり、急激な収縮が起きた際に筋繊維が損傷する状態です。
重症の肉離れは「3度損傷」とも呼ばれ、以下の特徴があります:
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筋肉の完全断裂や広範囲の部分断裂
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激しい痛み、内出血(腫れ・青あざ)
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歩行困難、または動かすことが困難
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筋肉のへこみや変形が触知されることも
このレベルの損傷には、整形外科的な診断と場合によっては手術も視野に入れる必要があります。ただし、整骨院でもリハビリや機能回復の面で大きな役割を果たすことが可能です。
整骨院でできること
1. 状態の評価と応急処置
来院時にまず行うのが問診と視診・触診による評価です。どの筋肉が、どの程度の範囲で損傷しているかを確認します。整骨院ではX線やMRIは使えませんが、機能的な動作確認や徒手検査で状態を把握し、必要があれば整形外科との連携も行います。
炎症期(受傷から約48〜72時間)は患部を冷やし、圧迫・固定を行うRICE処置(Rest, Ice, Compression, Elevation)が基本です。この段階では無理に動かさず、炎症を最小限に抑えることが重要です。
2. 痛みの軽減と治癒の促進
炎症が落ち着いてきたら、整骨院では以下のような施術を段階的に行います:
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超音波療法:深部の組織まで届く微細な振動で血流を促進し、治癒を加速させます。
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電気療法(低周波・干渉波):痛みの軽減や筋肉の緊張緩和に有効。
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手技療法:患部をかばって硬くなった周囲の筋肉をほぐし、バランスを整えます。
重症肉離れの場合、無理に動かすことは厳禁ですが、段階的なリハビリを通じて、再発を防ぐ土台を作ることができます。
3. リハビリと再発防止のサポート
痛みが引いてくると、徐々に可動域を広げ、筋力を回復させていくリハビリが必要です。整骨院では、専門的な知識をもとに一人ひとりに合わせた運動療法を指導します。
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関節可動域を改善するストレッチ
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筋力バランスを整えるトレーニング
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日常動作やスポーツ動作に戻るための段階的な負荷調整
特に肉離れを繰り返しやすい人は、体の歪みや姿勢不良、柔軟性不足などが関係していることが多いため、姿勢改善や骨盤矯正なども含めたアプローチが再発防止には効果的です。
整骨院と整形外科の役割分担
重症の肉離れにおいては、まず整形外科で画像診断や外科的処置の必要性を確認することが大切です。
その上で、整骨院では保存療法(手術なしでの回復)やリハビリ、再発予防といった面で重要なサポートができます。
整骨院と整形外科は対立するものではなく、それぞれの強みを活かした併用が回復への近道になるのです。
まとめ
重症肉離れを早く、そして安全に回復させるには、適切な初期対応と段階的なリハビリが欠かせません。
整骨院では痛みの軽減から再発予防まで、体にやさしい手法でサポートします。
「これくらいなら大丈夫」と思わず、少しでも違和感があれば専門家に相談しましょう。
整形外科と連携しながら、えびす整骨院でもしっかりと対応いたしますので、お気軽にご相談くださいね。